■夏の風物詩・花火大会が日本で多く行われる理由
夏の風物詩といえば、花火大会。今年は隅田川花火大会をはじめ、全国いたるところで打ち上げ花火大会が開催されています。
そもそも、日本での打ち上げ花火のはじまりは、江戸時代まで遡り、享保18(1733)年に隅田川で行われた「水神祭」がその由来と伝えられています。 当時。関西や江戸では、飢饉・疫病の流行により、多数の死者がでていました。その死者たちの慰霊や悪疫退散のために「水神祭」が催され、打ち上げ花火が上げられたのが最初だと言われています。
その後、打ち上げ花火を見上げた際の掛け声としても知られる「玉屋」(たまや)「鍵屋」(かぎや)などの花火屋が多数出現しました。
ちなみに、「玉屋」「鍵屋」とは、江戸時代に両国川開きの大花火を支えた2件の花火屋の屋号で、もともとは江戸日本橋横山町の花火屋「鍵屋」が、六代目弥兵衛の代から両国川開きの大花火を支えていましたが、八代目鍵屋の時、番頭の清七にのれん分けで両国吉川町に「玉屋」を開かせたことで、2軒が互いに花火の技を競い合うようになったと言われています。
これらの歴史に加え、日本の夏の蒸し暑い気候が、「夜風にあたりながら花火を眺める」という夕涼みの文化として、花火大会をより根付かせました。
■花火発祥の国はどこ? 打ち上げ花火の種類は?
花火の起源には諸説ありますが、紀元前の古代インドやギリシャ・ローマなどで使われていた「狼煙(のろし)」と言うのが有力な説です。
その後、中国の練丹術師が皇帝に命じられた薬を作る過程で火薬を発明し、軍事技術者が武器として使われるようになったそう。
現在のような、「見て楽しむ」花火は、14世紀ごろにイタリアで始まったといわれています。キリスト教のお祭りに登場した火花や音を出す「しかけ花火」のようなもので、やがて世界中に広まっていき、日本には江戸時代に伝わりました。
打ち上げ花火は、「割物(わりもの)」「半割物(はんわりもの)」「ぽか物」の大きく3種類にわけられます。それぞれの特徴について紹介します。
・ 「割物(わりもの)」
色や煙を出す星を飛び出させる仕組みを持つ打ち上げ花火
・ 「半割物(はんわりもの)」
大きな花火玉の中に、たくさんの小さな花火玉が入っている打ち上げ花火
・ 「ぽか物」
空に打ち上げられた花火玉が2つに割れ、星やしかけが飛ぶ打ち上げ花火
■手持ち花火も楽しい!
打ち上げ花火を見るのも楽しいけど、家族や友達と手軽に楽しむなら家庭用の手持ち花火も盛り上がりますよね。
手持ち花火といえば、「シューッ」という大きな音を立てながら、前方へ明るい光を放ちながら噴き出す「ススキ花火」、小さく静かに燃える「線香花火」、火花が噴水のように噴き出す「吹き出し花火」、空に向かって飛ばす「ロケット花火」など、さまざまな種類があります。
花火禁止になっていない場所かどうかを事前に確認し、水の入ったバケツやゴミ袋を用意して、安全に遊びましょう。
夏休みも、あと少し。花火を見たり、手持ち花火を楽しんだりして、思い出を作りましょう!