【食材のこだわり】マスについて【しげよし】

2022/05/22

■3〜5月が旬。“幻の高級魚”=本マス(サクラマス)



この季節に旬を迎える魚といえば、マス。
3月~5月、日本海でとれる本鱒(ホンマス)は桜鱒(サクラマス)とも呼ばれ、見た目も味もゴージャスな“幻の高級魚”とよばれています。

本マスは、鮭の仲間です。
9~12月に生まれた卵は川底で冬を越し、翌年春に孵化します。
稚魚は1~2年川の上流で暮らしますが、その後海へ下るものと、そのまま川に残るものに分かれます。海へ下るものが「本マス」、川に残るものが「ヤマメ」と呼ばれています。

本マスの産地として知られているのは北海道で、漁獲量は全国の約7割。
大きさは40cm〜70cmくらい、重さは1,5kg~3kgくらいで、漁獲量が少なく高価なため、スーパーなどではあまり売られていません。

程よく脂がのっており、上品で淡白、あっさりした風味が魅力です。

■富山名物・「ます寿司」にも本マスが使われている!



マスといえば、富山名物・ます寿司をイメージする方も多いと思います。
ます寿司は、塩漬けで味付けしたマスを使った押し寿司の一種。
木製のわっぱの底に笹を敷き、塩漬けで味付けをした鱒の切り身を並べ、そこに酢めしを押しながら詰め、笹を折り曲げて包み込み、重石をして作ります。

ます寿司の歴史は、江戸時代半ば、富山藩士で料理人でもあった吉村新八が三代目藩主 前田利興に「鮎寿司」を献上したのが始まりといわれています。
その後、神通川で獲れる本マスを使用して「ます寿司」を作るように。
以降、ます寿しが富山藩の献上品となったそうです。

その味が現在も受け継がれ、富山市内だけでも十数店舗が、「ます寿司」の味を今に伝え続けています。
ます寿司は、本場・富山で食べることができなくても、通販やお取り寄せでその美味しさを味わうことができます。

■食べ方いろいろ! 本マスの調理法



本マスの代表的な調理法を紹介します。

・ 塩焼き…塩をちょっとふって焼き、ごはんのお供に。

・ ホイル焼き…アルミホイルに玉ねぎの薄切りを敷き、その上に塩コショウした切身を置き、好みの野菜をのせてオーブン等で15分ほど焼きます。

・ ムニエル、バター焼き…塩コショウして小麦粉をまぶし、バターで焼きます。温野菜をつけあわせにしていただきます。

・ 煮付け…しょうゆ、酒、みりんで煮付けます。

・ 味噌漬け…味噌、水あめ、砂糖でじっくり煮込みます。

このほか、ポワレ、クリーム煮、フライなど、さまざまな調理法があります。
ビタミン、DHAなどがたっぷり含まれ栄養価も高い本マス。
旬を迎えている今の季節に、ぜひ味わいたいお魚です。