トップページ > ブログ > 【四季折々】つくしについて【しげよし】
2022/03/09
■つくしってどんな植物? 春になると、満開の桜の花や梅、桃の花に目を奪われる人が多くいることでしょう。 しかし、ふと公園の芝生や道路の隙間や土手などに目線を下ろしてみると、所々につくしが芽生えているのを見つけることもできます。 つくしは、「スギナ」という植物の一部。スギナは、シダ植物という種子をつくらずその代わりに胞子というもので繁殖する植物の一種で、その胞子をばらまくための場所である胞子茎を、3月中旬頃に土壌から出していきます。つくしは、そのスギナの胞子茎のことを指します。 つくしが胞子を飛ばす役割を果たして枯れた後、スギナがようやっと芽を出していきます。このように、つくしはスギナの命を繋いでいくための役割を果たしているのです。 ■つくしの名前の由来は? 「つくし」という名前には、どのような背景があるのでしょうか。 つくしの名前の由来には諸説ありますが、語源は、地面から突き出ているようにして生息している様子から、昔は つくづくし(突く突くし) と呼ばれていたというところから来ており、それを略してつくしと呼ばれているそうです。 また、漢字では「土筆」と書かれていますが、これはつくしが地上に伸びきる前の形が筆の形にそっくりなことに由来しているそうです。 ちなみに、つくしの花言葉は、「努力」「向上心」「意外」「驚き」です。 ■食用としても利用できるつくし つくしは、春の山菜として、食用としても利用することができます。基本的にハウス栽培されていたりスーパーで販売されていたりはしないため、入手するにはつくし狩りをする必要があります。 つくしには、意外にも、重要な栄養素が豊富に含まれています。まず、つくしはビタミンEを豊富に含んでいます。ビタミンEには抗酸化作用があり、活性酸素という物質が大量に生成され細胞が酸化し免疫機能が低下する事態を防止することができます。 また、食物繊維も豊富に含まれています。パスタにしたり、お浸しにしたり、天ぷらにしたり、スープの中に入れたりと調理方法も沢山あり、つくしを食べることによって、私たちの体に必要な栄養素を十分に摂取することができます。 ただし、つくしは「パルストリン」という天然毒素や、「ニコチン」「チアミナーゼ」などあまり体に良くないとされる成分も少量含まれているため、食べ過ぎには注意が必要です。 華やかな花は持たないものの、地面から顔を出しているのを見ると微笑ましい気持ちになるつくし。鑑賞したり、食べ物として活用してみたりして、春の季節をより楽しんでみてはいかがでしょうか。