■平年より10日遅れて東京で開花。早春の花・梅
寒い冬の昼下がり、公園や道端でひっそり咲く梅の花を見つけると、春の訪れを感じますよね。
東京では、2022年2月1日、平年より10日ほど遅れて梅の花が開花しました。梅は1月の間に咲き始めることが多く、2月にずれこんだのは、2013年2月3日以来、9年ぶりになるそうです。これから4月下旬くらいにかけて全国で開花するようになり、
「早春の花」として知られています。
現在、梅は、登録されているものだけでも400種類以上の品質があると言われています。
・ 花を観賞するために育成された品種を「花梅」
・ 梅干し、梅酒など実を採種することを目的に育成された品種を「実梅」
とよび、花梅はさらに3つの系統に分かれ、花の色は白からピンク、赤に近いものまでさまざまです。
梅全般の花言葉は、「忠実」「高潔」「忍耐」、紅梅の花言葉は「優美」、白梅の花言葉は「気品」として知られています。
■梅と桜と桃。どう見分ける?
同じ春の時期に咲く花として、桜、桃も良く知られていますが、梅と桜、桃の見分け方を知っていますか?
まず、開花時期ですが、梅が最も早く開花し、その後桃→桜の順番で咲くのが一般的。(気候条件や花の種類により異なることもあります)
次に、花のつき方や花びらの形に注目してみましょう。
・梅は、花びらの先が丸く、枝にくっつくように花が咲く。
・ 桃は、花びらの先がとがっていて、枝に沿うようにたくさん花が咲く。
・ 桜は、花びらの先が割れていて、枝からこぼれるように花が咲く。
といった違いがあります。
春の季節になると、どの花が咲いているのかわからないことがありますが、そんな時は花びらと花のつき方を観察すれば見分けがつきます。
また、梅、桜、桃の中で最も花の香りが漂うのが、梅です。梅の開花時期は、その香りも楽しみましょう。
■梅干しや梅酒に使われる梅の花は?
実を収穫し、梅干しや梅酒などに用いることができる「実梅」としてよく知られているのが、「南高梅」(なんこうばい)。梅の生産地として有名な和歌山のブランド梅です。大粒のわりに小さい種で食べやすく、梅酒や梅干しとして味わったことがある人が多いと思います。
そのほか、「南高梅」と比べてやや小ぶりな「玉梅」(たまうめ)、青梅がとても美しいことでも知られる「古城」(こじょう)などの品種があります。
これら「実梅」の生産地のナンバー1は、和歌山県。
日照時間が長く雨量が多いことに加え、黒潮が流れこむことによって1年を通して暖かく穏やかな気候で、梅が育ちやすい条件がそろっているからといわれています。
見て楽しむだけでなく、食べたり飲んだりも楽しめる梅。
その恩恵をかみしめながら、本格的な春の訪れを待ちわびたいものです。