■「ブランドあじ」の存在も知られる旬の魚・あじ
お刺身はもちろん、旨味もたっぷりで、塩焼きやフライ、ソテー、ムニエルなどさまざまな調理法を楽しめるあじ。「味」が良いため、この名前になったとも言われています。
「マあじ」「マルあじ」「ムロあじ」「アカあじ」などの種類があり、旬の時期は夏で、この時期はもっとも脂がのり、味もおいしくなります。
あじは全国的に水揚げされていますが、中でも多いのは、北九州の海域。トップ3は、上から長崎県、島根県、鳥取県と続きます。
あじの“高級ブランド”である「ブランドあじ」も存在し、長崎県の「ゴンあじ」「トキあじ」「野母んあじ」、大分県佐賀関産の「関あじ」などが有名です。
あじは、加工品も多く生産されています。伊豆諸島の特産品として知られている「くさや」は、ムロあじなどの新鮮な魚を「くさや液」と呼ばれる独特の匂いや風味をもつ発酵液にひたした後天日干しにした食品。強烈なにおいとは裏腹に、滋味あふれる風味が魅力です。
干物としても人気で、伊豆や北陸など多くの地域でつくられています。
■おいしいあじを見分ける3つのポイント
あじは、おいしいだけでなく、良質なたんぱく質やカルシウム、ビタミン、脳の働きを良くするDHAや血液をさらさらにするEPAなどがバランスよく含まれています。
スーパーなどで鮮度の良いあじを見分けるコツは、
・ 目が生き生きして黒く光っているか
・ 表面が銀色で光沢があり、ひれの部分が透き通っているか
・ 丸みを帯び腹部がしっかりしているか
以の3つだそう。
切り身の場合は、表面につやがあり、全体的に透明感があるもの、身にハリがあるものを選びましょう。水分が抜けてパサパサした感じのものや、パックに血水があるものは、鮮度が落ちている可能性が高いので注意しましょう。
■【レシピ】あじの南蛮漬け
脂がのったあじには、さっぱりとした酢の風味が良く合います。唐辛子の辛さがアクセントとなる「あじの南蛮漬け」のレシピを紹介します。
【あじの南蛮漬け】
(材料)4人分
・ あじ 4枚
・ たまねぎ 1/2個
・ にんじん 1/4本
A
・ 米酢 大さじ8
・ 砂糖 大さじ8
・ 水 大さじ2
・ 塩 少々
・ 醤油 小さじ2
・ 赤唐辛子 1本
・塩、サラダ油、こしょう、小麦粉 適量
(作り方)
1 あじは三枚におろしてそぎ切りにし、両面に塩をふる。
2 Aの赤唐辛子は種をとって輪切りにし、残りのAを合わせて甘酢をつくる。
3 たまねぎは薄切り、にんじんは千切りにする。フライパンにサラダ油を熱してたまねぎとにんじんを炒め、2につける。
4 あじの水気を切り、両面にこしょうをふり小麦粉をまぶす。170度くらいの油で揚げる。
5 4を3につけて味をなじませ、器に盛ってできあがり。
栄養たっぷりな旬の味覚を、さまざまな調理法で味わいましょう。