■2021年夏の「土用の丑の日」は、7月28日
「土用(どよう)の丑(うし)の日」というと、「夏」「うなぎ」というイメージがありますが、そもそも「土用」は立夏・立秋・立冬・立春直前の約18日間の「期間」を示す言葉。「季節の変わり目の約18日間」を意味します。
「土用の丑の日」とは、「土用」の期間に訪れる「丑の日」をさします。
ちなみに、2021年の「土用の丑の日」は、1月17日、1月29日、4月23日、7月28日、10月20日、11月1日になります。
2021年の夏の「土用の丑の日」は、7月28日。
夏の土用は梅雨明けや大暑に重なり体調を崩しやすい時期でもあるため、夏の「土用の丑の日」は、食べ物で養生することが、古来から日本に伝わる風習として知られています。
■「土用の丑の日」にうなぎを食べる理由
「土用の丑の日」といえば、「うなぎ」。
なぜこの日にうなぎを食べるのでしょうか。
うなぎは、古くは平安時代の「万葉集」において、大友家持が「夏やせを防ぐには、うなぎを食べると良い」という内容の歌に詠んでいます。
うなぎはビタミンA、B群、E、Dなどの栄養が豊富。特にビタミンAは、100グラム食べれば、成人の一日に必要な摂取量に達する量です。
さらに、歯や骨を丈夫にしてくれるカルシウム、脳の働きをよくするために働く栄養素であるDHA、中性脂肪を減らす働きがあるEPAも豊富に含まれています。
「土用の丑の日」に、栄養豊富なうなぎを食べることで、暑い夏を乗り切ろうという意味がこめられているのです。
■「土用の丑の日」のうなぎ以外の食べ物や行事・風習
土用の丑の日は、うなぎを食べる以外にも、さまざまな風習があります。以下、代表的なものを紹介します。
⚫️土用餅を食べる
土用餅は、つぶした小豆でもち米を包んだあんころ餅のこと。「おはぎ」や「ぼたもち」などと区別して「土用餅」と呼ばれます。土用の丑の日に、土用餅を食べる習慣がある地域もあります。
⚫️「う」のつく食べ物を食べる
夏の土用の丑の日は「う」が付くものを食べると夏バテしないという言い伝えがあります。うなぎ以外だと、うどん、瓜、梅干しが、それらの食材にあたります。
⚫️土用しじみを食べる
オルニチンというアミノ酸を豊富に含むしじみ。夏と冬、2回の旬がありますが、夏の旬は特に「土用しじみ」と呼ばれて重宝されます。
⚫️丑湯(うしゆ)
「丑湯」とは、土用の丑の日に、薬草を入れたお風呂に入る風習のこと。江戸時代には桃の葉、ヨモギ、ドクダミ、緑茶なども薬湯にしたそうです。熱いお風呂に浸かって、夏の疲れをとろうという意味合いがあります。
⚫️土用の虫干し
夏の土用入りは梅雨明けと重なるため、衣類や履き物を風にあて、たまった湿気を取る習慣があります。「土用の虫干し」とよばれています。
季節の変わり目であり、夏の暑さと向き合う日である「土用の丑の日」。
うなぎをはじめさまざまな食材を堪能しながら、夏バテ予防につとめたいものです。