【食材のこだわり】カツオについて【しげよし】

2021/05/23

■カツオの旬の時期は2回で風味も異なる

「カツオのタタキ」をはじめ、古くから日本人に親しまれてきた魚として知られているカツオ。マグロ、サケ、ブリに続いて家庭での消費量が多く、家庭料理のみならず、鰹節の原料やツナ缶としても使われています。

カツオの旬の時期は、春から初夏というイメージがありますが、晩秋にも獲れるため、旬の時期は2回あります。
1回目の旬は、3月から5月くらいにかけて。九州南部から、三重県、静岡県など本州中部を回遊し、この時期に獲れたカツオは「初ガツオ」と呼ばれています。
2回目の旬は、9月から11月くらいにかけて。東北地方の三陸沖までUターンし、再び九州南部まで南下します。この時期に獲れたカツオは「戻りガツオ」と呼ばれています。

「初ガツオ」は脂肪分が少なくさっぱりした風味、「戻りガツオ」には脂肪分がたくさん蓄えられているため、もっちりとした風味が特徴です。

■「カツオのタタキ」が「土佐造り」と呼ばれる理由

カツオの代表的な食べ方である「タタキ」。刺身の状態ではなく、表面をさっとあぶって薄く切り、薬味を添え、ポン酢などをかけていただきます。

カツオのタタキの誕生については諸説ありますが、「江戸時代、当時土佐藩(現在の高知県)の藩主だった山内一豊が、疫病の流行を受け、魚を生で食べることを禁止。そこで、表面を火であぶり菌の付着を防ごうとしたことが始まり」というものが有力です。これにより、「カツオのタタキ」は「土佐造り」ともよばれています。

薬味として用いられるのは、ショウガとシソが一般的。味を整えるだけでなく、高い殺菌効果があるのがその理由としてしられています。「カツオのタタキ」の本場・高知県では、カツオのタタキにミョウガやニンニクを刻んで添えることも多いそうです。

■ステーキ、竜田揚げ、サラダetc.食べ方いろいろ

タンパク質、血液をさらさらにする働きのあるEPA、脳の働きを活性化するDHA、ビタミンBなどを多く含み、ヘルシー食材としても知られているカツオ。
タタキ以外の主な調理法を紹介します。

⚫️お刺身
身が鮮やかな赤色で刺身用のカツオを選びます。しょうゆやポン酢に薬味を加えて食べるのが一般的ですが、マヨネーズとポン酢を合わせた調味料でいただくなど、さまざまな風味を楽しむことができます。

⚫️ステーキ
しょうゆ、みりんを調味料としてゴマ油で焼きます。焼くときに薄切りのニンニクを加えることで香りが増し、さらに美味しくいただけます。

⚫️竜田揚げ
ひと口大に切ったカツオをしょうゆ、酒、みりんとまぜてから片栗粉をまぶし、揚げるだけ。お酒のおつまみ、お弁当のおかずなどにおすすめです。

⚫️サラダ
タタキ用のカツオに、タマネギ、セロリ、カイワレ菜など香味野菜をまぜてドレッシングをあえるだけで、おいしいサラダのできあがり。

日本人にとって古くからなじみのある魚であるカツオ。旬の時期に、いろいろな食べ方で楽しみましょう。