【四季折々】八十八夜について【しげよし】

2021/05/10

■稲の種まきや茶摘みの目安とされている「八十八夜」

「八十八夜」(はちじゅうはちや)とは、季節の移り変わりの目安となる「雑節」(ざっせつ)のひとつ。立春から数えて88日目にあたる日をさし、「夏も近づく八十八夜・・」という歌があるように、遅霜の心配がなくなり茶摘みや稲の種まきに適した季節になることを意味します。

2021年の八十八夜は、5月1日(土)でした。ちなみに、八十八夜の日にちは、うるう年もあるためその年により変わります。毎年大体5月1日か2日になります。

八十八夜の頃は、新茶の季節。いち早く芽吹いた茶葉を収穫してつくった新茶(一番茶)は、その後に摘まれる茶葉よりも栄養価やうまみ成分であるテアニンが多く含まれています。このことから、この時期に摘まれた新茶を飲むと病気にならない、長生きするなどの言い伝えもあるそうです。

■日本のお茶の5大名産地、知ってる?

4月下旬から5月下旬くらいにかけて、新茶の収穫が全国的に始まります。以下、日本のお茶の名産地を紹介します。

⚫静岡県
いわずとしれた、お茶の生産量1位に君臨し続けています。「静岡茶」をはじめさまざままブランドがあり、煎茶の中でも高級で2倍の時間をかけて蒸す「深蒸し煎茶」が、生産量の多くを占めています。

⚫三重県
収穫の一週間前、わらなどでお茶の木を覆い、日光をさえぎって育てる高級茶として知られる「かぶせ茶」の生産日本一。四日市市や鈴鹿市に広がる茶畑には、霜の害を防ぐため、背の高い扇風機が備え付けられています。

⚫京都府
京都のお茶といえば、「玉露」。新芽が開いたあとすぐに茶畑全体をわらで覆い、3週間日光をさえぎって育てる最高級品です。京都のお茶の9割が、南部の山城地域で生産されています。

⚫鹿児島県
県西南部の薩摩半島が一大産地で、山の斜面ではなく平地で茶葉を育てています。温暖な気候で味が濃いものが多く、やや薄い香りが特徴。「やぶきた」「ゆたかみどり」など多くの品種が栽培されています。

⚫宮崎県
収穫した茶葉を熱処理するとき、蒸さずに回転するドラムで炒ったお茶である「釜炒り茶」の生産量が全国1位。アミノ酸やカテキン類などの有用成分が多く含まれ、コクのある風味が特徴です。

■新茶をおいしく味わう方法

新茶は、渋みや苦みが少なくうまみが多いため、若葉のようなさわやかな香りが特徴です。
新茶をおいしく味わう方法を紹介します。
1 茶葉を急須に入れる。
2 お湯を一度湯のみに移し、70℃くらいまで湯冷ましした湯を急須に注ぐ。
3 約40秒抽出したあと急須を2、3回まわし、均等に注ぎ分ける。

新型コロナウイルスの影響でおうち時間が続きそうですが、新茶のおいしさを味わいながら、リフレッシュしてみてはいかがでしょうか。