■アメリカを代表する花としても知られる「花水木」
桜の時期が終わった頃に花を咲かせる花水木(はなみずき)。和名は「アメリカヤマボウシ」で、原産地は北米東部からメキシコ北東部。明治45年(1912年)、当時の東京市長である尾崎行雄氏が、アメリカ・ワシントン市に桜の苗木を送ったお礼として、大正4年(1915年)に日本に送られてきたのが始まりといわれています。アメリカを代表する花で、2つの州花にもなっているほど愛されている花です。
日本では、庭木として植栽されているのに加え、道路沿いに街路樹として植栽されるケースも多く、白、紅、ピンクの美しい花を咲かせます。咲き始めから花色が変わっていくという特徴もあり、同じ品種でも、開花のタイミングによって花色が異なることもあります。
花水木の花言葉は、「返礼」、「私の思いを受け止めてください」「華やかな恋」など。シンガーソングライター・一青窈さんの歌としても知られています。
■花水木は、秋になると紅葉も美しい
花水木は、美しい花を咲かせるだけでなく、花が終わると葉が生い茂り、秋になると一斉に紅葉を始めます。緑からじょじょに赤く色づき、最後には真っ赤に紅葉します。葉は、1枚10cm前後と大きく、木が真っ赤に覆われたように見えます。
紅葉と同時期に、赤い実もなりはじめます。私たち人間が食べることはできませんが、鳥たちには人気で、ヒヨドリ、ムクドリ、オナガなどが食べに来るようです。鳥たちがフンをする中に花水木の種があり、その種が土に落ち、発芽して育つ花水木もまれにあるようです。
冬になるとすべて落葉して寂しげな雰囲気になりますが、春が近づくと、小さな玉ねぎのような形の花芽をつけ、花を咲かせる準備を始めます。
■花水木の名所はどこ? 全国の花水木スポット
花水木の名所を紹介します。
⚫️群馬県桐生市「コロンパス通り」
桐生市巴町二丁目~東七丁目までの約2キロメートルの「コロンバス通り」に、約200本の
花水木が咲き乱れます。見頃は5月上旬
⚫️群馬県高崎市「新町地区」
新町地区の街路樹がほとんど花水木。4月25日(日)、町内で「花水木まつり」を開催。
⚫️埼玉県所沢市「小手指花水木通り」
西武池袋線小手指駅前の花水木通りには、107本の花水木が植えられ、毎年ピンクの花を
咲かせます。
⚫️京都府京都市「京都府立総合資料館」
京都府立総合資料館の敷地内にさまざまな種類の花水木が咲きます。隠れた名所として知ら
れています。
⚫️愛知県犬山市「博物館明治村」
敷地内のあちこちで、4月下旬から5月にかけて花水木が咲きます。
⚫️東京都千代田区「日比谷公園」
園内に花水木林があり、アメリカ・ワシントン市に桜の苗木を送ったお礼として贈られた原
木が植えられています。
今が見頃の花水木。お散歩がてら、近くの花水木を探してみませんか?