■春に漁獲されるのは「桜鯛」
お祝いの席に欠かせない魚として知られる鯛(たい)。姿の美しさはもちろんのこと、味や栄養ともにすぐれた高級魚として知られています。
鯛は1年中漁獲されますが、旬の季節は、春と秋。
春に漁獲される鯛は「桜鯛」とよばれており、産卵で浅瀬にやってくるため漁獲量が増え、身体全体が桜色を帯びて栄養価が高くなります。
しかし、産卵が終わると鯛はエネルギーを使い果たし、身がやせ細り、「麦わら鯛」とよばれ、味が落ちてしまうのが一般的です。ちなみに、秋に漁獲される鯛は、「もみじ鯛」とよばれています。
鯛の漁獲量ベスト3は、長崎県、福岡県、愛媛県。養殖も盛んに行われており、養殖鯛の収穫量ベスト3は愛媛県、熊本県、三重県と続きます。
鯛には良質なたんぱく質が含まれており、消化吸収もよいため、高齢者や小さな子どもにもおすすめです。脂肪分も少ないため、ダイエット中の人、胃腸が丈夫でない人も食べやすい食材として知られています。
■鯛が「縁起物」と呼ばれる理由は?
鯛は、なぜお祝いの席に欠かせない「縁起物」として知られているのでしょうか。
良く知られているのは、「めでたい」と「鯛」、言葉の響きに通じる部分があるからということ。
加えて、鯛の鮮やかな赤色は、古くから「邪気を払う色」とされ、縁起が良い色として知られていることから、縁起物と考えられています。
さらに、鯛の寿命は20年から40年と、魚の中でも長寿の部類に入ることから、「鯛のように長寿にあやかりたい」と、縁起物として食されています。
特に縁起が良いとされている「鯛の尾頭(おかしら)付き」は、頭から尾まで完全に揃った形の鯛をさし、「ひとつのことを初めから終わりまでまっとうする」という願いが込められています。
■炊飯器で簡単にできる! 鯛めしレシピ
鯛の旨味が存分に味わえる「鯛めし」。土鍋で作るメージがありますが、炊飯器でも簡単にできます。炊飯器で作る鯛めしレシピを紹介します。
★材料(4人前)
・米2合
・鯛2切れ
・塩小さじ1/3
(A)
しょうゆ、料理酒各大さじ2、みりん大さじ1、塩少々、昆布少し
・しょうが1かけ
・水適量
・サラダ油大さじ1
・薬味
★作り方
1生姜は皮をむいて千切りし、水にさらしたあと水気を切っておく。
2 鯛に塩をふって15分ほど置き、水分をふきとる。
3 フライパンを熱し、サラダ油をしいて2を入れ、中火でじっくり焼き色がつくまで両面を焼く。
4 炊飯器に米、A、水を2合の目盛りまで加えて混ぜる。
5 3をのせて炊飯する。
6 炊き上がったら鯛と昆布を取り出す。鯛は身をほぐして再び炊飯器に戻し、しゃもじで混ぜ合わせる。
7 器に盛り、薬味をトッピングして出来上がり
春は、入園、入学、進学など、お祝いのシーズン。「縁起物」の鯛を、おいしくいただきましょう。