■春の代表的な野菜・ふき
春の季節の代表的な旬野菜といえば、ふき。全体の95%が水分で、口にふくんだときのシャッキとした歯ごたえとほろ苦い風味が特徴です。
平安時代から栽培されているといわれており、生産量日本一は愛知県。「愛知県早生ふき」「尾張ふき」とよばれ、みずみずしくやわらかい形状です。その他、京都や奈良を中心に栽培されている「水ふき」や秋田県の名物「秋田フキ」が良く知られています。
ふきには、カリウム、カルシウム、食物繊維、ビタミン、ミネラルが豊富に含まれており、苦味成分としてポリフェノールの一種であるクロロゲン酸も含んでいます。クロロゲン酸には細胞の突然変異を抑制する作用があり、抗がん作用が期待されています。
ふきを選ぶ場合は、葉っぱの色をチェック。葉がみずみずしく、茶色い部分や黒ずみがないものを選びましょう。鮮度が落ちやすいので、購入後、すぐに茎と葉を切り分け、ゆでて保存することが大切です。
■「ふき」と「ふきのとう」の違いは?
「ふき」と「ふきのとう」の違い、ご存知ですか?
ふきのとうといえば、春の訪れを感じさせてくれる可憐な植物として知られていますが、ふきのとうは、ふきのつぼみの部分です。
ふきのとうが花を咲かせた後、葉が伸び出し葉柄が長く育った部分が、ふき。ふきのとうの食べごろは、開花前のつぼみのとき。ふきと同様ビタミン、ミネラルが豊富に含まれています。
ただし、食べ過ぎると肝臓にダメージを与える「ペタシテニン」という物質が含まれています。しっかり茹でてアク抜きを行えば問題ありませんので、アク抜きはていねいに行いましょう。
■和え物、おひたし、パスタetc.味わい方いろいろ
ふきを使った主な料理を紹介します。
★和え物やおひたし
茹でてアク抜きをしたふきは、和え物やおひたしにしていただきます。ゴマ、ドレッシングなどさまざまな調味料と相性が良いです。
★天ぷら
食べやすい長さに切って、それを太さによって何本か割るようかに切り、衣をつけて天ぷらにしていただきます。
★煮物
油揚げなどとともに、煮汁で煮込んでいただきます。
★サラダ
ゆであげて水にさらしているものを、水気を切って細くスライスし、サラダにしてもおいしくいただきくことができます。
★パスタ
ふきは、ハムやベーコンとの相性がよく、パスタにからめると、和風パスタに早変わり。
★炒め煮
ふきの水分を利用し、豚肉や他の野菜といっしょに炒め煮に。
調理法によってさまざまな風味を楽しめるふき。旬の風味を味わいましょう!