■高級魚として知られるキンキ。真っ赤な体の色の理由は?
高級魚として知られるキンキ。正式名は「キチジ(吉次)」ですが、一般的にきんきの名前で親しまれ、東北では「キンキン」、北海道では「メンメ」「メイメイセン」、茨城県では「アカジ」などとも呼ばれています。
キンキは赤色の体が印象的ですが、なぜ赤い色なのか、知っていますか?
キンキは深海に生息し、エビ類などの甲殻類を中心に、小魚や頭足類など小動物を捕食します。エビ類に含まれる「アスタキサンチン」という色素は、加熱したり体内に入ると赤く変色する性質があります。キンキが赤いのは、その影響によるものと考えられています。
旬の時期は、秋から冬にかけて。北海道から伊豆あたりまでの太平洋側で獲れ、漁獲量のベスト3は北海道、岩手、青森、宮城です。
北海道南東部沖(網走)ではブランド化され、ここで獲れたキンキは「釣りキンキ」とよばれ、その身は美しく輝いています。
■キンキと金目鯛の違い
キンキと見た目が似ている魚に、金目鯛があります。
キンキは「カサゴ科」の魚なのに対し、金目鯛は「キンメダイ科」の魚で、姿は似ていますが全く別の魚です。
また、良くみると、キンキの肌の色は淡い赤で、目は透明。金目鯛の肌の色は濃い赤で、目は金色です。見た目も若干異なります。
ちなみに、金目鯛も深海に生息し、エビ類などを捕食するため、体の色が赤いと考えられています。
主な分布は、キンキは北海道〜東北なのに対し、金目鯛は、駿河湾〜相模湾と、関東地方になります。
キンキと金目鯛のいちばん違いは、その価格。キンキは、金目鯛の価格の約3倍くらいなのだとか。キンキは漁獲量が少なくなっているため非常に価値が高く、1キロ1万円を超えることもあるそうです。
■煮付けが定番。キンキのその他の食べ方は?
キンキの調理法といえば、煮付け。
下処理後、白だし、みりん、しょうゆ、酒、砂糖、しょうがなどで煮付けます。
柔らかい身はおで簡単にほどけ、甘みのある風味が特徴です。
煮汁をご飯にかけて食べるのも、クセになるおいしさです。
新鮮なキンキは、お刺し身にしていただきます。脂がのったキンキは、握りでも特上のネタとなります。
その他、しゃぶしゃぶなどの鍋料理、吸い物の椀だねとしてもおすすめです。キンキは皮目の赤い色、火を入れることで真っ白になる身とのコントラストが見た目にも美しく、
食欲がそそられます。
アクアパッツアやポワレなど、洋食の材料としても使われるキンキ。「あら」からとても良い出汁がでるため、ブイヤベースなどにも向いています。
和の食材としてはもちろん、洋の食材としてもおいしく食べられるキンキ。
食の楽しみを、ますます広げていきましょう。