■春の訪れを少しずつ感じ始める「立春」
「立春(りっしゅん)」と聞くと、「もうすぐ春が来る」と、なんだか嬉しい気持ちになりますよね。
日本には、一年間を24分割し、それぞれに季節を表す言葉をつけた「二十四節気」
という言葉があります。
立春は、二十四節気のひとつで、冬至と春分の真ん中。時期的にはまだまだ寒いですが、梅の花がちらほら咲き始め、文字通り、「春の訪れ」を表します。
旧暦では、立春のころに元日がめぐってきたため、「新しい年の始まり」という意味合いもありました。
立春の前日は、季節の境目である「節分」。
2021年の節分は2月2日(火)で、立春は2月3日(水)でした。
立春の早朝、禅寺では、入り口に「立春大吉」と書いたお札を貼る習慣があります。
ちなみに、「立春大吉」この文字は左右対象で縁起が良く、一年間災難に合わないと言われています。厄除けとして家の鬼門にこのお札を貼る家庭もあります。
■「立春」から数えて15日目ごろは「雨水」(うすい)
立春のあとの「二十四節気」は、「雨水」。この雨水は、読んで字のごとく、「空から降るものが雪から雨に変わり、雪が溶け、水になり始めるころ」という意味があります。
草木が芽生える時期でもあり、昔から、農耕の準備を始める目安とされてきました。春一番の風が吹くのもこのころで、三寒四温を繰り返しながら春に向かっていきます。
2021の雨水は、2月18日(木)です。地方により異なるようですが、「この時期にお雛様を飾ると良縁に恵まれる」という言い伝えもあります。
「雨水」のあとは、「啓蟄」(けいちつ)。「啓」の字には「開く」という意味があり、「蟄」の字には「虫などが土などに隠れている様子」という意味があります。「土に隠れていた虫が外に出てくるほどに暖かくなってきた」という様子を表す言葉です。
2021年の啓蟄は、3月5日(金)となっています。
■雨水の時期に食べたい旬の風味は?
春の訪れが感じられる雨水の時期に食べたい、旬の風味を紹介します。
⚫山菜
寒い冬を乗り越えて栄養をたくさん蓄えた山菜をおいしくいただくことができます。Hきのとう、わらび、タラの芽、うど、せりなどがスーパーに並びます。
⚫️からし菜
唐辛子やごま油を加えて混ぜ合わせるだけで、ピリっとからいご飯の副食に。ピリ辛の刺激で食欲増進の働きがあります。関西地方では、高菜とよばれています。
⚫️春キャベツ、新玉ねぎ
春キャベツはやわらかくて薄緑色、新玉ねぎは真っ白でみずみずしく、さまざまな調理法で美味しさを味わえます。
⚫️はまぐり
ひなまつりの日にお吸い物にして味わうことで知られています。貝の組み合わせがひとつひとつ異なることから良い夫婦の象徴として婚礼料理に並ぶことも。
まだまだ寒い日が続きますが、春は確実に近づいています。旬の味覚を日々の食卓に取り入れながら、元気を蓄えていきましょう!