【食材のこだわり】カンパチについて【しげよし】

2020/07/31

■天然ものは高級魚として重宝されるカンパチ

スズキ目アジ科の大型回遊魚であるカンパチ。ブリやヒラマサとならび、「ブリ御三家」とよばれています。

カンパチ(間八)という名前は、口元から背ビレにわたって黒い帯状の線が左右対称にあり、上からみると「八」の字に見えるのが由来とされています。日本では、その味の良さから天然魚は高級魚として扱われており、食べると非常においしい魚です。

カンパチは海水魚で、北海道から沖縄まで日本全国に生息します。産卵期は3月から8月くらいで、関東よりも西日本でまとまってとれます。

天然のカンパチは、長崎県、鹿児島県、高知県、福岡県などが主な産地となっています。
養殖も各地で行われており、収穫量ベスト3は、1位が鹿児島県、2位が愛媛県、3位が高知県。1位の鹿児島県の収穫量は、全国の約半分を占めています。

天然のカンパチの旬は、夏から秋。養殖のカンパチは、通年味が安定しており、旬は特にないといわれています。

■カンパチは、刺身や塩焼きが絶品

カンパチは、なんといっても刺身で食べるのがいちばん。新鮮なものはこりっとした食感があり、脂に独特の甘みが感じられます。カルパッチョにしても、美味しくいただけます。

また、カマの部分には、霜降りのように脂がのっています。塩焼きにすると脂がとけだし、とてもおいしいです。家庭の魚焼きグリルでも調理できますので、試してみてください。

そのほか、
・ 昆布だしなどの鍋を仕立ててしゃぶしゃぶに
・ 大根といっしょに煮付けに
・ フライパンでソテーして甘辛カレをからませ照り焼きに
など、さまざまな調理法があります。

■超巨大なカンパチは、「幻のアカバナ」と呼ばれている

天然のカンパチは、重さ2〜3キロが主流で、大型でも20〜30キロ。ところが、九州地方を中心に、まれに超大型化したカンパチが穫れることもあり、カンパチの別名で「アカバナ」とよばれています。

天然のアカバナは、釣りや定置網などでとれることはまれで、漁獲量の多い九州地方でさえ一般の食卓にあがることはほとんどありません。長崎県五島列島では、アカバナは“縁起のよい魚”として神社に奉納されるそう。

近年、鹿児島県で、このアカバナの養殖技術が確立され、注目を集めています。脂質はカンパチの2〜3倍、EPA・DHAは4〜6倍含まれているといわれており、カンパチと同様さまざまな調理法で楽しめます。日本テレビ「嵐にしやがれ」でも、幻の魚として紹介されました。

今が旬のカンパチ。その風味をぜひ堪能しましょう。