【四季折々】お中元について【しげよし】

2022/07/17

■お中元の時期。東日本は7/1〜15、西日本は7/15〜8/15が一般的

 

 

今年も「お中元」の時期がやってきました。

お中元は、室町時代に中国から日本に伝わり、盆供とともに商い先やお世話になった人に贈り物を贈る風習が原型になったといわれています。

 

お中元を贈る時期は、全国的には7月15日が標準とされており、東日本では7月1日から7月15日、西日本では7月15日から8月15日に贈ることが一般的に知られていますが、地域により時期が異なるのは、お中元の由来でもある「お盆」が関わっているから。

 

「地域ごとにお盆の時期が異なるため、お中元の時期も地域ごとに異なる」ということです。

 

ちなみに、沖縄はお盆の期間がほかの地域と異なり、旧暦の7月15日までをお盆としています。

 

もしお中元の時期を過ぎてしまったら、表書きを「暑中見舞い」、さらに過ぎてしまったら「残暑見舞い」として贈ればOK。目上の人に贈る場合には、「暑中御伺い」「残暑御伺い」と書きます。

 

■古代中国で始まった神へのお供えが起源

 

日頃お世話になっている方に、感謝の気持を込めて御礼の品を贈る「お中元」。

お中元やお歳暮と言えば、デパートの特設売り場や、通販カタログ、郵便局のチラシなどで注文するのが一般的でしたが、インターネットの普及により、その様相もだいぶ様変わりしています。

 

そもそも、お中元とはどこで、どのようにして始まったものなのでしょうか。

 

お中元の起源は、およそ1,500年前、中国の道教の祭日である三元の中のひとつ、「中元」に端を発すると言われています。中国では、中元の日に神様にお供え物をした人は罪を赦されると信じられてきました。

 

この行事が室町時代に日本に伝わり、江戸時代に入ってからは庶民の間にも広まり、盆供とともに商い先や世話になった人に贈り物をするようになったことが、現代の「お中元」の原型と言われています。

 

■お中元の金額の相場って、どのくらい? どんな物を送ればいいの?

 

 

お中元の相場は、贈る相手により異なりますが、3,000円から5,000円が一般的。

 

・ 友人・近所・先生など上司や取引先には家族、実家、義実家、親戚、兄弟には4,000円〜5,000円

・ 上司や取引先には4,000円〜10,000円

・ 友人・近所・先生などには3,000円程度

が、一般的な相場として知られています。

 

贈る物については、たとえば贈る相手が核家族や一人暮らしだと、大量の食品が送られてきても困ってしまうことが考えられます。

取引先には缶ジュースつめあわせや小分けされているお菓子、一人暮らしで料理をしない場合は加工食品やレトルト食品、子どもがいる場合はアイスクリームやお菓子など、相手の状況に合わせて品物を選ぶとよいでしょう。

 

ひと昔前は、お中元と言えば洋酒や缶詰、ビールなど、保存性に優れ、かつかさばる商品がもてはやされました。しかし、近年はインターネットの普及によって商品の多様化が進み、例えば名古屋に住んでいても北海道の海鮮ギフトを鹿児島に送り届ける、といったことも可能になりました。若い世代の間では、のしをつけずに洋菓子や季節限定商品など、手軽に相手の好きなものを贈る、といったカジュアル化も進んでいるようです。

 

また、近年企業などでは、形ばかりで心のこもっていない、いわゆる「虚礼」はやめようという動きが活発になり、お中元そのものが見直されてきています。

 

■お中元を贈る時期は関東と関西で異なる

 

 

中国から伝わった中元(旧暦7月15日)は、現代の暦では8月中旬になります。

 

一般に、関西では「旧暦」にあわせて季節の行事を催すことことから、お中元も旧暦7月15日前後(新暦で7月下旬〜8月15日頃の間)に贈る習慣があります。対して、関東ではお盆・お中元とも新暦で行う地域が多いため、7月初旬〜15日頃がお中元の時期とされています。

 

この他にも、お中元の時期は地域によって微妙に異なるので、相手に失礼にならないよう、事前にお住まいの地域のお中元シーズンを調べておくとよいでしょう。

 

■お中元をいただいたら、お返ししたほうがいいの?

 

 

お中元をいただいたからといって、「必ずお返しの品物を贈らなくてはいけない」というわけではありません。

 

ただし、お中元が手元に届いたら、まずは相手にお礼の気持ちを伝えましょう。手紙でもOKですが、お礼の電話をかけると感謝の気持ちが伝わりやすくなります。

連絡がないと、相手はちゃんと届いているか不安に思ってしまいますので、なるべく早く受け取ったことを伝えることが大切です。

 

お返しの品物を贈りたいという場合は、頂いた品物の半額〜同程度のギフトを選びましょう。あまり高額なお返しをしてしまうと「もうお中元は必要ありません」という意味になり、かえって失礼にあたります。

 

また、贈っていただいた物と同じ種類の品物を贈るのもNGです。

靴やマットなど「踏みつけるもの」や、金券類も、相手に失礼であると考えられています。お茶うけのお菓子や季節の果物など、相手に気を使わせない物を贈るのが無難でしょう。

 

日頃の感謝の気持ちを伝えるお中元。

贈る側も、贈られる側も、気持ちのよいマナーを心がけましょう。