【食材のこだわり】しげよしの「特撰二段重・いわい」【しげよし】

2017/12/18

 
お正月は夫婦ふたりで過ごすから、美味しいものをちょっとずつお召し上がりになりたいというお客様におつくりしておりますのが、「特撰二段重・いわい」。37のお品を詰めさせていただきました。
 
いわい
 

■お屠蘇はもちろん、ワインにも、シャンパンにも合うおしながきです
 
「お正月はふたりだから、たくさんのおせちは食べきれないんです。ふたり用のおせちで、いろいろなお料理が入っていたらうれしいです」というお客様のリクエストにお答えしておつくりしましたのが、「特撰二段重・いわい」。贅を凝らしたお料理をお詰め合わせしております。
 
■「一の重」には縁起物が踊ります
 
お重に大きく踊りますのは、真紅の「焼ロブスター」。肉質が柔らかく、ロブスター本来の旨味が溢れるロブスターをシンプルに焼き、味わい深く仕上げました。同じく、素材の良さをシンプルな調理法で生かしたのが「たこ照焼」。皆様の2018年が「多幸」にあふれる年になりますようにとの願いを込めて、柔らかいたこを秘伝のタレで照焼に仕上げました。
「紅白蒲鉾」「紅白餅」、「黒豆金箔かざり」と縁起物をふんだんに。いかを松ぼっくりのような形に切って一手間加えさせていただいた「いか松笠雲丹焼」には、彩りにうにもまぶしてございます。
ぜひご賞味いただきたいのが「小鰭(こはだ)かぶら」。新鮮な小鰭をきゅっと締めて、かぶやにんじんと和えてかぶら仕立てにしております。新春のお魚を厳選した昆布で締めた「鰆昆布〆」は、シンプルな調理法だから鰆と昆布の味の良さが引き立ちます。
お口直しは筍をさっと炙って風味を増した「焼筍」で。「てまり湯葉」で出汁の旨味と湯葉からわきでる大豆の風味を感じていただきながら、「にしん昆布巻」をお楽しみください。にしんは「二親(にしん)」とも字を当てられることから、子孫繁栄の縁起担ぎに使われるお魚でございます。
「真だら子うま煮」は、日本酒やワインはもちろん、焼酎にも合うお味です。たらこの身の弾ける様を舌で感じていただきながら、料理長がこだわった味のバランスをお楽しみください。
蓮根は、たくさんの穴が開いていることから「先(将来)を見通せる」という意味をもつ縁起の良い食材です。黄金の出汁と醤油、味醂などでシンプルに仕上げた「蓮根煮」も自信作です。
毎年、「しげよしさんの椎茸は、どうしてこんなに肉厚なのですか?」と驚かれる椎茸に、今年は柚子をまぶして一手間かけさせていただきました。「どんこ椎茸柚子煮」、甘く炊きあげた「空豆蜜煮」、「梅麩」はお口直しにご賞味くださいませ。
 
■「二の重」で甘味もお楽しみください
 
くるみを餅菓子に仕立てた「くるみゆべし」、杏子(あんず)を甘く仕上げた「杏子煮」、肥(ぎゅうひ)にカスタードをまいてオーロラ紙で巻き上げた「カスタードオーロラ包み」、さっぱりした甘味に爽やかな酸味が華を添える「花餅 紅梅」など、二の重の甘味は和だけではなく、洋も取り入れております。栗が華やかに香る「練りきんとん」には、寿を刻印した「寿マロン」でより艶やかに。ほっくりとした口当たりで上品な甘さの「鳴門金時芋」は、徳島県鳴門市の特産品でございます。鳴門金時ならではの、柔らかな甘味をご堪能くださいませ。柚子を半分に折って網笠のような形に仕上げた「網笠柚子」では甘味とともに、爽やかな酸味もお楽しみくださいませ。
甘味で一息ついていただいた後は、選び抜いた数の子やするめ、昆布を合わせた「松前漬」と、白醤油で上品に仕上げた「数の子白醤油風味」をどうぞ。肉厚で柔らかく、身がほろっとほぐれる「鰤照焼」は、私どもが長年受け継いで参りました伝統の味わいです。サーモンをふわふわの白生地に巻いて笹の葉に見立てた「笹小川」、お口直しの「たたき牛蒡」、カニの味わいがほとばしる「焼目入りかに爪」に、箸とお酒もすすみます。
柚子で一仕事させていただいた「料亭 伊達巻」は、辛口の日本酒にも合う味わいです。牛肉を笹の葉で包んで香り豊かに仕立てた「牛肉笹包み」や定番の「田作り」、ほんのりの塩鮭を日の出に見立て、かぶらで巻いて甘酢につけた「日の出きぬた」もしげよしの自信作でございます。
 

毎年、お客様から「しげよしさんのおせちは、食材が素晴らしい!」という感想をいただきます。ありがとうございます。
私どもは明治45年創業の料亭「寿美家」の伝統を受け継いでおり、食材を扱う業者様とも長いお付き合いをさせていただいております。お客様に喜んでいただけるのはもちろん、「寿美家さんのためなら、最高の食材を取りそろえます」とおっしゃってくださる業者様にも「寿美家さんのために頑張って食材を用意して、本当に良かった」と思っていただけるような料理を、これからもずっと、ずっと作っていきたい。
それが、私どもの変わらぬ願いでございます。
 
皆様がお正月を幸せに過ごされるひとときに、私どもの料理が寄り添うことができたなら、料理人冥利に尽きるというものでございます。新年もどうぞよろしくお願いいたします。