いよいよ、平成29年もあと1カ月あまり。平成30年の幕開けは、三重県の眼福・舌福・至福に満ちた「厳選三重県おせち」で彩らせていただければ幸いです。今回は、「厳選三重県おせち」の「三の重」「付属」の食材についてご紹介いたします。
■海と大地の恵みが溢れる幸を、三の重に
「三重県」の「三重」は「三の重」とも読めることから、三の重に詰めましたのは三重県の海の幸と山の幸。美しい水に恵まれた木曽川(きそがわ)、長良川(ながらがわ)、揖斐川(いびがわ)という3つの川を、木曽三川(きそさんせん)と申します。三重県は木曽三川が流れ込む伊勢湾、リアス式海岸の鳥羽・志摩、黒潮が流れ込む熊野灘と、漁場に恵まれた県でございます。この、多様な漁場で獲れる魚介類は実に200種類以上。海老やアワビなども有名ですが、そのほかにもアッパ貝や青柳姫貝など「広く知られてはいないけれど、滋味がぎゅっと詰まった魚介類」が多うございます。
また、三重県の里山は水に恵まれ、緑も豊か。四季を通じて、大地の恵みが育ちます。
「厳選三重県おせち」の「三の重」では、ぜひ、海と大地の恵みをご堪能ください。
■椎茸、筍、オクラ。大地の恵みが踊ります
「椎茸甘露煮」で使いましたのは、多気町産の原木を栽培した椎茸。多気には、多くの命を育む場所、たくさんの食べ物が採れる場所という意味があり、古くから多くの特産品が生産されてきました。なかでも、多気町産の原木を栽培した椎茸は、香り高く傘の肉が厚いと評判でございます。焼いてよし、煮てよしの椎茸を、鮎の旨みを活かした甘露煮のタレで佃煮風に仕上げました。
「美里筍八方煮」は、三重で取れた筍のもっとも柔らかいとされる穂先だけを使い、風味を損なわないように上品な薄味で八方煮に仕上げました。古来より、日本では成長が早くすぐ長い竹に育つ筍を食べることで、子どもたちの成長を祈り、子孫繁栄を見立ててきました。お正月に、ぜひ新春の香りをご堪能くださいませ。
箸休めにお楽しみいただきたいのが「三重オクラ旨煮」でございます。歯ごたえのよい三重オクラを色鮮やかに仕立て、上質な昆布とかつお節で取った「黄金の出し」の「八方出汁」で上品な旨煮に仕上げました。新緑のようなやさしい色合いが、おせちに新春の彩りを添えています。歯切れの良い触感と風味をご堪能ください。
■潮の流れが育む三重県の海の幸
「焼車海老」は、二の重の「答志島刻みめかぶ」で詳しくご紹介いたしました、風光明媚な答志島で水揚げされた天然車海老を贅沢にまるごと使わせていただいております。鳥羽の海が育てた車海老の甘みを損なわないよう、吟味しただし汁と淡口醤油、みりんなどで煮立てる「芝煮」という伝統的な調理法で仕上げております。卓越した職人だからこそ出せる身のぷりっと感と海老の甘みをぜひご堪能ください。以前のブログでもご紹介しましたように、海老は古来より長寿の象徴です。力強さと生命力の強さをあらわす海老を、ぜひお正月にご賞味ください。
その歯触りにうっとりとしてしまいますのは、「鮑福め煮」。黒潮がぶつかる紀伊半島沖合にあります熊野灘沿岸で水揚げされた鮑は、しっとりとした歯触りをもつ肉厚の身と旨味でとても有名です。この鮑の持ち味を生かし、醤油で柔らかく焚きあげました。厳選されただし汁と醤油などで炊く「含め煮」は、お正月にはよい縁起を呼び込むために「福め煮」と呼ばれます。昔から鮑は100年生きると考えられており、長寿の象徴です。また、鮑の貝殻には魔除けの効果があるといわれておりますので、年の初めを飾るに最適の食材です。
磯の香り漂う「さざえ壺焼き風」に使わせていただいておりますのは、波穏やかな伊勢湾で育まれたサザエです。とげが少なく、ツルッとした殻をもつ三重のサザエを、地元の漁師さんのように豪快に壺焼きに仕上げました。一家繁栄の意味をもつ栄螺(さざえ)はおせちに最適です。
「アッパ貝」はもしかしたら、初めてお召し上がりになるお客様も多いかもしれませんね。「ヒオウギガイ」と呼ばれる貝で、伊勢志摩の特産です。貝殻が虹色できらきらと光ることから「虹色貝」ともいわれます。焼くと貝が開いたり、閉じたりを繰り返すことから、「アッパ貝」と伊勢志摩では呼ばれるようになりました。旨味がぎゅっと詰まってほっこり口でほぐれる貝柱やヒモは、アッパ貝独自の滋味です。旨味がずっと続くアッパ貝を、素材の味を生かして炊きあげました。虹色の貝殻が目にも美しいアッパ貝をぜひお召し上がりください。
「鰹生節」で使わせていただいております鰹は、尾鷲にあります紀伊長島で水揚げされもの。100年以上続く昔からの製法で、添加物は一切使わず、完全な手作りで生節に仕上げました。生節(なまぶし)は生利節(なまりぶし)とも呼びますが、新鮮なお魚をそのまま加工するため、かつお節よりも旨味が多く、身も、もっちりしています。溢れ出す旨味と薫香をご堪能ください。
■詰め切れない幸せを、差し上げ物に
一の重から三の重まで、三重県の美味しいもので満たさせていただきました。そして、詰め切れなかった幸は、「付属」として入れさせていただきました。
「青柳姫貝干物」は、伊勢湾の大淀海岸(おいずかいがん)沖の砂地で育った青柳(バカ貝)を天日で干して貝の干物に仕上げております。貝類採取で知られる大淀の風味豊かな青柳を、天日で干すことで身が伸ばし、鮮やかなオレンジ色に仕立てております。ご自宅のガス台をとろ火にしてさっと炙り、お酒のおつまみとしてご堪能ください。
「関の戸」は、三重県亀山市「関宿」にて 江戸時代第三代将軍 徳川家光の頃より作り続けられているお餅菓子です。小豆のこし餡を求肥で包み和三盆をまぶした関の戸は、鈴鹿の峰に降り積もる白雪になぞらえたと伝えられています。
食後などにお召し上がり頂きたいのは、「深蒸し茶お正月ブレンド」です。三重県は、静岡県、鹿児島県に次いで全国3位のお茶の産地でもあります。中でも有名なのは、熊野と吉野の山々に囲まれた清流・櫛田川(くしだがわ)の織りなす朝霧に包まれて育った「伊勢茶」です。茶農家直営「深緑茶房」の深蒸し煎茶は、伊勢茶の中でも、濃厚でコクがあり渋みが少ないのが特徴です。お食事のときや朝、お目覚めになられたときにお召しあがりいただければ、お正月の疲れた体とお腹をほっこりと温めてくれるでしょう。
皆様の平成30年が、幸せな温かい年になりますようにとのお祈りを込めて、おせちをおつくりしております。「厳選三重県おせち」のご予約受付は12月22日までとなっております。12月30日土曜日に、ご家庭までお届けいたします。お引き立てのほどよろしくお願いいたします。