お客様のご期待以上のお料理とサービスを「仕出し」に込める。この志を同じくする人間が集まっているのが私ども「しげよし」です。今回は、「しげよし」の母体となる料亭「寿美家」三代目女将、川村有香をご紹介いたします。
川村 有香
三重県出身。明治45年創業の料亭「寿美家」に生まれ、三代目女将に就任。「老舗の料亭」の季節のお料理やこだわりの逸品、おもてなしのこころをもっと気軽に自宅でもお楽しみいただけるようにと、10年前から仕出しを始める。現在は「しげよし」の商品開発などを担当。
■日本の伝統「料亭」をご家庭にお届けしたいという気持ちから仕出しを始めました
日本には昔からたくさんの料亭があります。料亭は「お料理」を通じて五感で旬を感じていただき、季節ごとの美しい自然や、侘び寂びの世界、そこに息づく日本の心を感じ取って頂ける日本独自の伝統的な空間です。ただ、その空間を味わっていただくには、お客様に足をお運びいただく必要があります。また、昔のような「一見さんお断り」の料亭は少なくなりましたが、料亭に行くのはハードルが高いとお考えになるお客様もいらっしゃいます。
そこで、料亭のお料理やおもてなしを、私どもからお客様のご家庭などに「仕出し」という形でお届けしたいと考えたのが、しげよしを始めたきっかけです。
■料亭は女性が活躍できる職場です
料亭は、板場(調理場)でお料理を担当するのは男性が多いですが、お料理をお客様にお届けしておもてなしするのは女性が主です。ビジネスの接待やご家族での会食など、様々な方がご利用になるのが料亭です。その場に応じた対応や、ちょっとした気遣い、目配りは女性のほうが得意ですから、女性向きの職場ですね。中でも、お客様の笑顔を自分の喜びにできる方、社交的な方に向いています。
■「しげよし」は女性が多く活躍しています
「しげよし」の男女比は2:8で女性の方が多いです。仕出しの製造や配達、事務、商品開発など、様々な部署で女性が活躍しています。
「職場に女性が多いと、人間関係などは大丈夫ですか?」
などとよく聞かれるのですが(笑)、「かけがえのないひとときに、ご期待以上の品質を」という志がみんな同じということもあり、和気藹々とやっています。昼食時、みんなでおしゃべりしているときのちょっとした一言から新しい企画が生まれることもしょっちゅうですし、やりがいのある職場だと思いますね。
■出産してからますます仕事にやりがいを感じるようになりました
2017年1月に出産し、今は保育園に子どもを預けて働いています。この仕事が大好きなので、出産2カ月前まで働いて、産後3カ月で復帰しました。「夕方5時50分に保育園へお迎えに行く」というタイムリミットが決まっているので、前よりも集中して仕事に臨むようになりました。
また、保育園もそうですが、子連れでサービスされる側の立場になることが増えたので、「どういうおもてなしをしたら喜んでいただけるか」ということをより深く考えるようになった気がします。お食い初めなど、子育てで経験する多くのイベントや節目に「しげよし」をご利用いただきたいですし、ご利用いただくためにはどのようなおもてなしや商品開発をしていくべきか、日々考えています。子どもたち世代に、本物の和食の文化、おもてなしの文化を伝えていかなければならないという責任も感じますね。
毎日成長する子どものように、私も、そして「しげよし」ももっと発展していきたい。受け継いだ老舗の伝統を、あたらしい形として進化させていただきたいと考えています。