■海外の芸術家にも大きな影響を与えた「有田焼」
日本の磁器は、大変美しいものです。
中でも、西洋にも多大な影響を与えた柿右衛門の系譜を色濃く反映する「有田焼」の麗しいたたずまいに、私どもはいつも心奪われます。
「伊万里焼」「肥前焼」とも呼ばれる有田焼は、1616年、豊臣秀吉の朝鮮出兵時に佐賀藩主の鍋島直茂によって連れ帰られた朝鮮人陶工が、現在の佐賀県西松浦郡にある有田泉山で良質の陶石を発見し、日本で初めて白磁の焼成に成功したことから始まったといわれています。
1650年代になると、有田焼は伊万里港からヨーロッパ諸国へ輸出されるようになり、日本国内だけではなく海外においても高く評価され、多くの芸術家に影響を与えました。
■200年以上の歴史がある華山窯の素晴らしさ
なかでも、「有田焼 華山窯」(http://aritakazan.com/)の器を拝見いたしますと、私どもはいつもその出来栄えに感嘆いたします。
寛政8年(1796年)、鍋島藩の御用窯として開窯した華山萬右衛門窯(現・株式会社華山)は、200年以上の歴史ある窯元です。
明治26年には、世界コロンビア委員会がアメリカのシカゴで開催した国際展覧会で栄えある賞牌を受け、近年でも宮家からご用命を賜るなど、古くから今に至るまで国内外で確固たるブランドを築いていらっしゃいます。
「有田焼 華山窯」が素晴らしいのは、そのブランドにあぐらをかかず、有田焼の美しさを生かした業務用食器を製造されるなど、常に新しいチャレンジをされているところです。
一方で、萬右衛門ブランドとして、200年以上の伝統技術を受け継いだ繊細で華やかな有田焼もつくられています。
「伝統を忠実に守りながら、常に進化を続ける」「古き伝統と新たな挑戦を取り入れる」という前向きな姿勢に、私どもも大いなる刺激を受けさせていただきました。
■華山窯の器を仕出し弁当に使わせていただけることになりました
「かけがえのないひとときに、ご期待以上の品質を」提供したいと考えている私どもは、前回のブログ(クリックで飛びます。)で申しましたように、「器は料理のきもの」と考えております。
私どもが考え抜いた料理の数々は、素晴らしい器があってこそ、完成に至るのです。
私どもの仕出し弁当に、華山窯の有田焼を使わせていただけたら……。
とはいえ、私どもが、あの比類なき「有田焼 華山窯」にお付き合いをいただくことができるのだろうか?
弊社社長の小清水丈久は、「有田焼 華山窯」の代表にして11代萬右衛門の山本大介社長に「しげよしの仕出し料理に御社の有田焼をぜひ、使わせていただきたい」とお話をさせていただくとき、大変緊張したといいます。
山本社長にご快諾をいただいたときは、身も震えるほど感動したとのことです。
なぜ、ご快諾をいただけたのか、山本社長にお話を伺ったところ、
「歴史の長さの違いはあれど、“伝統”があるという点につきまして、華山窯と、しげよしの母体である老舗料亭・寿美家さんは共通点があります。
そうした“伝統”のある会社は、“うちは前からこうしてやってきたから”というやり方にとらわれてしまいがちです。
しかし、現代において、旧態依然のやり方を続けていれば、経営に行き詰まってしまうこともあるでしょう。
そのような中で、“伝統とこだわりの逸品、おもてなしの心をもっと身近に感じてもらいたい”という想いを込めて仕出し料理の提携店事業を始められた、しげよしの“伝統を守りながら進化していく”考え方に賛同し、お付き合いをさせていただきました」
という、大変光栄で、ありがたいお言葉を頂戴いたしました。
しげよしでは、「有田焼 華山窯」にオリジナルの有田焼を発注させていただきました。
器に季節にちなんだ色、柄を取り入れていただきつつ、「有田焼 華山窯」と私どもの仕出し料理が、これからもともに歩ませていただければ幸いです。
株式会社華山の華山展示場には、ため息が出るほど美しい器がたくさんございます。佐賀においでになるときは、ぜひ華山展示場を訪れてみてください。